KelemenダイポールアンテナのSWR特性

当ショップでは、ドイツWiMo社のアマチュア無線用ダイポールアンテナであるKelemenアンテナを取り扱っています。マルチバンドダイポールの要であるトラップにはテフロン同軸をコイル状に巻いたものを使用し、そのコイルのL分と同軸ケーブルの線間容量を利用してトラップを形成しています。軽量で耐入力の高いトラップとなることが利点です。

Kelemenダイポールアンテナ
Kelemenダイポールアンテナ

今回お買い上げいただいたお客様が近隣にお住まいのため、伺ってSWR特性を測定させていただきました。

アンテナは7M、10M、14M、21M、28M帯用の5バンドモデルです。2階建ての一戸建てで、日本の都市部では平均的なお住まいです。アンテナの全長は10.6Mで屋根上に架設されています。

測定結果を図に示します。対象となるアマチュアバンドで正確にSWRが落ちています。低いバンドほど帯域が狭くなるのは短縮型アンテナの宿命ですが、SWR最良点ではどのバンドでもSWRが2以下でアンテナチューナー無しでもなんとかなりそうです。

Kelemenダイポールアンテナ(7,10,14,21,28M帯用)のSWR特性
KelemenダイポールアンテナのSWR特性

他のマルチバンドダイポール製品ではハイLで疑似的にカットしている製品もあるようですが、Kelemenアンテナは各アマチュアバンドに共振させたトラップで、外側エレメントを電気的にきちんとカットしています。これによりSWRが落ちるべきところで落ち、そうでないところは高SWRを保ったままとなっています。改めてKelemenダイポールアンテナの優秀さを感じた次第です。

Kelemenは使用できるバンド、耐入力に応じてモデルが多種あります。どれも取り扱い可能ですので、お問合せください。

2019/08/08追記
Kelemenダイポールに用いられている7M帯用トラップの遮断特性の測定結果を掲載します。 製品ではアンテナワイヤとトラップが一体化されているため、お買い上げになった方がトラップ単体を測定するのは困難だと思います。 メーカーのWiMoよりサンプルとして提供されたトラップです。

Kelemenダイポールのトラップ(7M帯用)の遮断特性
Kelemenダイポールのトラップ(7M帯用)の遮断特性

アンテナワイヤの中間に挿入されるトラップを特性インピーダンスが50Ω系のスペアナ+トラジェネで測定しているため、 ミスマッチがあるはずです。よって縦軸の絶対値に意味があるわけでないと思いますが、7MHz付近では左右の周波数帯に比べ、30dB (電力比にして1000分の1) 以上の減衰が得られています。

当ショップKelemenダイポール紹介ページ

2019/5/8 追記
各バンドごとの詳細グラフを以下に掲載しました。

KelemenダイポールアンテナSWR特性例(7M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(7M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(10M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(10M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(14M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(14M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(21M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(21M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(28M帯)
KelemenダイポールアンテナSWR特性例(28M帯)

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