GNU RadioのためのLinux環境の構築

GNU Radio for Windows上でのフローを紹介してきましたが、やはり、GNU Radioの基本はLinux環境で使用することです。Windows上ですとライブラリが使用できなかったりします。普段、WindowsやMacを使用されている方が追加でLinux環境を構築する際に考察すべき点や私の実践について、以下に記します。なお、あくまでGNU Radioというアプリケーションを使用するとの観点からです(GNU Radio以外でもいいですが)。

1.OSを何にするか?

Linuxは、Windowsのように特定のメーカーが出しているOSでないオープンなもののため、ディストリビューションと呼ばれる様々な派生版がでています。代表的なものがubuntuです。とくにこだわりなければこれにするのが無難だと思います。ネット上の情報も多いです。私はubuntu以外使ったことがないので、他のディストリビューションに対してこれ以上どうこう言える立場にはありません。

2.ハードをどうする?

(1)専用マシンを用意する。

ベストですが、設置場所とお金の問題が発生します。ディスプレイやキーボードは現有のものを使用し、切換器を使うという手もありますが・・・。市販されているWindowsやMacマシンにはOSのコストが含まれていますので、それらも無駄になってしまいます。

Intel NUC(下) 上に置かれているのはRaspberry Pi
Intel NUC(下) 上に置かれているのはRaspberry Pi

私はインテルのNUCでLinux専用マシンを1台構築しています。インタフェースは最小限に抑えられており、約10cm四方の直方体のミニPCで場所も取りません。完成品とキット、さらにはボードのみというのもあるようです。昨秋にキットを購入しました。キットといっても自分で取り付けるのはメモリとHDD/SSDぐらいです。OSは付属しません。

(2)マルチブート(デュアルブート)

すでにあるPCのディスクに新たなパーティションを設け、そこにLinuxをインストールして、PC起動時にOSを選択するというものです。ハードの追加は不要です。一見、良さそうなのですが、いろいろ調べているうちに、考えさせられました。日本のメーカー製のPCの場合、ディスククラッシュに備えて回復パーティションが設けられていることが多いのですが、メーカー設定からパーティションを変えた場合、万が一の時に回復パーティションがどのように振舞うかわからないというものです。この分野にお詳しい方以外は避けた方が良いようにも感じます。自作されている方は問題ないかと思います。

そこで私は既存のPCの空きeSATA端子から長めのSATAケーブルをPCの外に引き出し、LinuxをインストールしたHDDをSATA接続で増設し使用する方法(電源はPCとは別に供給)で上記NUCとは別のLinux環境を設けています。USB接続にしていないのは、現状ですらSDRレシーバーやサウンドカード、さらにはアマチュア無線機のコントロール(仮想COMポート)などUSB機器が多く接続されており、競合を心配したからです。起動の優先順位は1.Linux、2.Windowsです。増設したLinuxのディスクの電源を入れた状態でPCを立ち上げればLinux環境が立ち上がります。ディスクの電源を切った状態では、これまで通りWindowsが立ち上がります。普通にWindows PCとして使う分には何のストレスもありません。

(3)Live USB

USBメモリにLinuxをインストールしておき、これを用いるというものです。簡単ですが、設定が保存できないなどのデメリットも。もっとも最近は設定が保存できるようにもなっているらしいです。

あくまでLinux上でのアプリケーションを低コストで使いたいということであれば、(2)のマルチブート、それも新規にディスクを用意するのが一番だと思います。既存ディスクに新たなパーティションを設けて後々の管理やトラブル対応に悩むくらいなら、ディスクを新規に買った方がよいと思います。HDDは1TB以下であれば数千円です。SSDも240GBぐらいなら同じような値段です。SSDなら消費電力も知れていますし、PCの筐体の空きスペースにテープ留めしておけばよいでしょう。

手順としては

  1. Linuxインストール用のUSBメモリを用意。この手順については多くの先達がネットにいろいろ書かれています。
  2. インストール時の事故防止のため、PCのディスク、DVDドライブのケーブルをすべて外す。一応、結線を記録しておく。
  3. 新規のHDD/SSDを空いている端子に接続。
  4. PCの電源を投入し、手順に従ってLinuxをインストール。動作することを確認。
  5. 今度はLinuxをインストールしたHDD/SSDを外し、元のディスク、ドライブの結線を戻し、本来のPCとしての動作を確認。
  6. Linuxのディスクも接続し、PCを立ち上げる。BIOSを表示させ起動の優先順位を設定。PC立ち上げ時にLinuxと元のOSの選択ができることを確認する。

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