MetroVNA(1)

少量ですが、久々にMetroVNAが入荷しました。 店主がアマチュア無線を始めた頃、SWRの測定方法はというと、SWRメーターなるものを無線機とアンテナの間に挿入して、無線機から送信してSWRを測定するというものでした。SWRの周波数特性を得たい場合、送信周波数を変えながら測定していきます。アマチュアバンド外では送信は許されないので、当然、測定できません。アンテナの共振点がバンド外にいってしまった場合、バンドの中での変化から、どちらにずれているか推測するといったものでした。

アンテナの測定方法に変革をもたらしたのが、90年代に出たMFJ社のSWRアナライザMFJ-259ではないかと思います。要は1ポートのVNAで、測定端での被測定物(DUT、この場合はアンテナ)のインピーダンスがわかります。測定周波数を連続的に変えていくことで、アマチュアバンド内のみならず、バンド外でもSWRが測定でき、アンテナの調整作業は飛躍的に楽になったと思います。

昨今はアマチュアの間でもVNAブームで、当ショップのminiVNAもその一端を担いでいるのかもしれませんが、実はminiVNAはアマチュアより企業・大学からの注文の方が多いです。Yahooショッピング店でお買い上げいただいた方の評価にありますが、アジレント(現キーサイトテクノロジ社)のネットワークアナライザと測定結果に大きな差がないと評価いただいています。また、研究予算が厳しいおり、COTS(Commercial Off The Shelf)製品の積極的採用というのもあるのかもしれません。

余談ですが、先日参加したGNU Radioカンファレンスのセッションの中で、NASAのゴダード宇宙飛行センターの調達担当の方のプレゼンがあり、RTL-SDR(ドングルSDR)とGNU RadioでPSK復調ロジックを組み、NASA規格品のPSKモデムと対向させてPSK伝送が可能かどうか検証したというものがありました。「おぉー、今、自分がやっていることと同レベルではないか」と妙に感動したりもしましたが、あのNASAですら、COTS製品の採用を進めていかなければならないようです。

もう一つの側面として、ある企業の方とminiVNAについて話した際に、「これはアマチュアの手には余るんじゃないの?」言われたこともあります。アマチュアの測定用途であれば、オーバースペックかもしれません。

一方で、miniVNAの短所はPCと接続しなければ機能しないということだと思っています。手短にアンテナのSWRを確認したいというアマチュアには不便かもしれません。そういう向きにはMetroVNAがお勧めです。MetroVNAは単体で使用できる2ポートのVNAです。アンテナのSWR測定に関しても、アマチュアの使用を考慮した種々の画面インタフェースが用意されています。2ポートですから、アンテナのSWR測定以外に、フィルタの周波数特性も測定できます。 またMetroVNAは多機能です。他に以下のような機能があります。

■電界強度計(フィールドメーター)
■信号発生器
■ディップメーター
■ケーブル長測定

単体でも使用できると書きましたが、MetroVNAの機能の一つとしてPCと接続してvna/Jが利用できることがあげられます。我田引水になりますが、vna/Jは当ショップにてアプリケーションの日本語化、日本語マニュアルの整備を行っております。

周波数範囲は1~250MHzなのでminiVNA PRO2とほぼ同じです。したがって144MHz帯まで使用可能なVNAをお探しのアマチュアには、miniVNAよりMetroVNAの方がよいかもしれません。以降、MetroVNAについてご紹介していきたいと思います。

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